Baiduが開発した人気の深層学習プラットフォーム「PaddlePaddle」が、学習と推論の両方でGraphcore IPUをフルサポートするようになりました。
Graphcoreの高度なAIコンピュート機能を活用するためにPaddlePaddleの開発者が利用するオープンソースのコードライブラリが、Wave Summit+ 2021で発表されました。
Graphcoreはこのパートナーシップを活用して、400万人を超えるPaddlePaddleのグローバルなユーザー基盤にリーチできるようになるうえ、このプラットフォームが最も広く利用されている中国のお客様への訴求を拡大することもできるようになります。
またこのパートナーシップに基づいて、BERTやERNIEなど、IPU用の新しいモデルライブラリがPaddlePaddleに継続的に追加されることになります。
イノベーションを加速させる
PaddlePaddleは現在、157,000社にサービスを提供しており、PaddlePaddleを使って作成されたモデルは476,000を超え、中国のAIコミュニティの成長と成功に大きく貢献しています。
Graphcoreは、PaddlePaddleの新しいハードウェアエコシステムに加わる初期メンバーの一社として、IPUが提供するモデル性能とスピードの向上を利用することでAIイノベーションをさらに加速させようとする、このプラットフォームのユーザーの活動を支援します。
当社は現在、大規模モデルの学習とともに、PaddlePaddle推論ライブラリによる高性能な推論をサポートしています。
GraphcoreとBaiduの両社が参加するチームは、検証の一環としてIPU-POD16を使用してBERT-Baseを実行し、現在最も広く使われているAIモデルの1つにおいてPaddlePaddleとIPUが優れた性能を発揮できることを証明しました。
Paddleを使ったBERTの実行に関する技術的詳細については、当社のブログでご覧いただけます。
良き友人
BaiduのPaddlePaddle製品責任者であるQiao Zhao氏は、PaddlePaddleによるIPUサポートの発表を歓迎したうえで、次のように述べています。「これまでもGraphcoreはBaidu PaddlePaddleの良き友人であり、重要なパートナーでした。PaddlePaddleがGraphcore IPUでの学習と推論のフルサポートを実現したことをお伝えできることを大変嬉しく思います。今回のフルサポートは、PaddlePaddleのハードウェアエコシステムにとって大きな性能向上です」
「BERTなど、PaddlePaddleモデルライブラリに含まれるモデルは、IPUで優れた学習・推論性能を達成しています。それと同時に、Graphcoreの深層学習エンジンであるPopARTが利用できるようになったことで、IPUでPaddlePaddleを簡単に適応させることも可能になりました」
「当社は今後もGraphcoreと協力し、PaddlePaddleモデルライブラリからより多くのモデルをIPUに移植し、PaddlePaddleとIPUをベースにした世界最高水準のAIソリューションを構築することで、AIに携わる開発者や企業の力になりたいと思っています」
ソフトウェアの成功
現在のAIワークロードを加速させることに意欲的であり、IPUのユニークなAI向け機能を活用した新しいモデルや技術を開発することによって、人工知能の限界を押し広げることにも意欲的である中国のお客様の間で、GraphcoreのIPUは大きな反響を呼んでいます。
Graphcoreのハードウェアの能力を最大限に引き出し、多くのユーザーにその性能を利用してもらうためには、主要なAIフレームワークやツールとの密接な関係を構築することが不可欠です。
GraphcoreはPaddlePaddleへの取り組みにおいて、強力なプラットフォームパートナーに出会えただけでなく、AI開発者が自由にイノベーションに取り組めるようなオープンソースに対する当社のコミットメントを共有できる会社に出会えたのです。
PopARTランタイムやPopLibsライブラリなど、Poplarソフトウェアスタックの大部分が開発者に公開されているのと同様に、PaddlePaddleのコードもGraphcoreとPaddlePaddleのGitHubの両方のページで公開されています。